搾取構造に対しての認識のずれ

まずね、嘘はイカンよ。 末尾から引用するけど、

このように、偽装派遣は「賃金搾取」の為の仕組みに利用されるので、違法なのです。

http://ameblo.jp/syusoretujitu/entry-10720824780.html

合意していないリスクまで負わされるのがまずいのであって、貧乏人のひがみみたいな「搾取」が理由ではありません。

請負契約ではYは「売上台数」に責任を負う。
ただしそれは「自分たちのやり方でやる」からこそ負える責任であって、X社の指示の下では売上台数の責任を負えない。
にもかかわらず! と言うのが偽装派遣偽装請負、偽装委託)の問題。


そもそも、君が指摘したいのは多重派遣の問題なんじゃない?


多重派遣は搾取構造になりうる。 そしてそれを回避するために「偽装請負(偽装委託)」の形式を取ることが多い。
だが、偽装請負は多重派遣に利用されるから違法なのではない。 ブログのタイトルに「法律家を目指す」と書くならそこはきちんと区別すべきだろ。


んでもって、搾取と正当な対価の区別が付いていない。 というか付けようともしていない。

上記の図のようなメンドクサイ仕組みを作らなくても、携帯会社Xが派遣会社Yに直接仕事を依頼すれば済む話ですよね。なのになぜ、このような複雑な仕組みを作るのか。

http://ameblo.jp/syusoretujitu/entry-10720824780.html

君は「人を調達するコストとリスク」をどの程度だと思ってるの?
人は呼んだら必ず来るのか? 契約したら必ず遂行してくれるのか? そのリスクは誰が引き受けてるんだ?
取引開始に関するコストやリスクは分かってる? 個人間で中古品をやりとりするのとはワケが違うぞ。
報酬の支払も大変だ。

君はこれらのことを無料でやりたいか?


さらにリソースをプールする業者には空白期間のコストも発生する。

君は一人人材派遣会社で、君のエンジニア単価が80万/月だとしよう。 君にとっての原価だ。
発注元の要求は「今後10年、オレが呼んだ時には必ず来い。 帰れと言ったら帰れ」だ。
君は原価80万/月の見積を出すか? その仕事をするせいで発生する空白時間を勘案して、提示額を考えるだろ?
例を出そう。 1年のうち10ヶ月間仕事があると見込めるが、それに備えることで2ヶ月間は仕事がない期間が発生するとするなら、96万以上の見積を出さなければ「原価割れ」だ。(他の仕事を入れたら要求に応えられなくなる と考える)


これはエンジニアがフリーで独立したときに陥る罠でもある。


要は賃貸マンションみたいなもんだ。
空室率を考えずに家賃だけ見ればぼろ儲けに見えるだろう。 だがしかし、実際はそうではない。


自分の状況が悪い原因を他人の悪意に求める前に、もうすこし突っ込んで調べ、考えるべきではないか?